【たぶん最終回】実家の解体についておもうこと
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皆さんは実家が解体された経験があるだろうか
漫画『ONE PIECE』のなかで、主人公麦わらの一味の乗る船、ゴーイングメリー号が役目を果たして燃える名場面がある。
海賊である彼らにとって船は、我々にとっての家に等しい。その船の最期に涙を流す彼らを見て、中学時代に感動したのを記憶している。
私はそれに近い体験を年末にした。
大学時代に住んでいた寮の解体が決まったのである。
私の家庭は私が2歳の時にひょんな事から特殊な環境になり、同じ境遇の子供たちが全国から集まる寮にはいった。
そこで大学時代の3年を過ごし、麦わらの一味のように濃い体験(山手線ゲーム、ほうれん草ゲーム、餅つき大会、資源回収etc)をしてきた。漫画のキャラ、ニコ・ロビンのように一度一味からぬけようとエニエスロビー(所沢)に行ったが、「生きだい」と考えて戻ってきたくらい好きな場所だ。
そんな思い出のつまった大好きな場所の、解体。
その知らせを受けたとき、言いようのない気持ちに襲われた。フラれた初恋、自信しかなかった仏検2級の2次試験で落とされた時、そのどれでもないショックだった。
きっと人生の延長線上で、あの寮と自分が交わることはないのかもしれない。再度行くことはないだろうと思っていたが、いざ解体となると不思議と再訪したくなった。
後輩に誘ってもらったので、いざ再訪したが、
想い出の寮に帰ってみると、懐かしさよりも
「設備のアップグレードにツッコミたい」気持ちが強かった。
セキュリティ強化、荷物の所在をつげる電光掲示板
懐かしさに浸りたいが、どうしても脳内から溢れ出すツッコミワードが邪魔をした。
それでも我にかえったのは、私がフラメンコの練習をしていたホールに入った時だった。このホールの存在は私の中で大きかったのだと感じた。この場所がなくなると考えると、心の中の麦わらの一味が泣きはじめたのが感じられた。
心の中で泣けた。ひねまがった自分の中にも、麦わらの一味のようなまっすぐな気持ちを認識できたのが嬉しかった。
そしてその日はそのまま当時の寮のメンバーとご飯を食べて帰った。
もう当時の寮には帰れない。
でも心の中で泣けた経験が、その現実によるショックを軽くしてくれるのかもしれない。
これから人生でおこるであろうお別れも、ちゃんと受け止められたら心の整理はつくのかもしれない。
麦わらの一味はゴーイングメリー号とのお別れを、どんな風にうけとめているのかな
と考えながら
その日は帰路についた。
夜風は梅酒の香りがした。